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スリランカ破産(デフォルト)を分かりやすく解説「原因は一族の思いつき政策」

2022年7月5日、スリランカの首相が国の破産を宣言しました。

国って破産するの?と疑問に思いますよね。

今回は

・スリランカってどんな国?
・スリランカが破産ってどう言う意味?
・破産の原因

についてまとめました。

破綻したスリランカとはどんな国か分かりやすく解説!

スリランカ民主社会主義共和国(通称、スリランカ)は、南アジアにある北海道の約0.8倍の大きさの国です。

主要産業は農業

スリランカがどこにあるのか知らない人でも、スリランカが紅茶の生産地として有名なのはご存知なのではないでしょうか?

セイロンティーのセイロンはスリランカの昔の国名です。

日本で飲まれている紅茶は、インドに続いてスリランカが第2位の輸入国となっています。

スリランカの破産とはどういう意味か分かりやすく解説!

国も個人と一緒で借金をすることが出来ます。その際に発行されるのが国債です。

国債とは国の発行する債券です。

引用:財務省

借金が返せない場合に企業や個人が破産することがあるように、国も破綻することがあります。

借りたお金を返せない状態をデフォルト(債務不履行)と言います。

具体的には…

・債券の利払い日に利息を支払うことが出来ない
 →借金なので当然、利息が発生しますよね。期日までに利息を支払う必要があります。

・債券の金額の返済が出来ない
 →借りたお金そのものの返済を意味します。

スリランカの2021年末時点での対外債務は500億ドルを超えているということです。

簡単には返済できそうにない額ですね…。

1998年にはロシア、2002年にはアルゼンチンでも破産宣告がされています。国が破産することってこれまで実際に何件も起こっていることなんですね。

スリランカ破産を分かりやすく解説「原因は5つ」

ここからは、どうしてスリランカが借金を返せなくなってしまったのか解説していきます。

背景は複雑ですが、大きく6つの理由があるようです。

原因①一族政治
原因②思いつき政策連発
原因③中国への莫大な借金
原因④コロナ
原因⑤ウクライナ

一つずつ、詳しく見ていきましょう。

原因①一族政治

スリランカは民主主義ですが、2000年代に入ってからはラージャパクサ一族による一族政治が行われています。

チャマル・ラージャパクサ

・ラージャパクサ家:長男
・2022年:農業大臣

マヒンダ・ラージャパクサ

・ラージャパクサ家:次男
・年齢:76歳
・2004-2005年:首相
・2005-2015年:大統領
・2018年:首相
・2019-2022年:首相

ゴタバヤ・ラージャパクサ

・ラージャパクサ家:三男
・2019-2022年:大統領

バジル・ラージャパクサ

・ラージャパクサ家:四男
・2005-2010年:大統領上級顧問
・2010-2015年:経済開発内閣大臣
・2021-2022年:財務大臣

この4兄弟…すごいですね。大統領と首相を行ったり来たり。

大統領、首相、財相を務めるラージャパクサ一族への人々の不信感は強く、今回、一族政治の失敗が経済危機を招いた

引用:なぜ、スリランカで抗議行動は起きたのか? 2022年4月

スリランカの政治や社会を研究し、日本貿易振興機構アジア経済研究所で地域研究センター南アジアグループ長を務める荒井悦代さんは、

「ラージャパクサ一族がスリランカの政治経済界で権力を握ったこの20年の間、政府は外貨を獲得するための措置を怠ってきた」

と語っています。

会社の一族経営と同様に、一族で同じ世界の権力を持っていると、馴れ合いが起きてしまうものですよね。

原因②思いつき政策連発

スリランカの政治経済界を牛耳っているラージャパクサ一族は、思いつき政策を連発しているようです。

思いつき政策❶農薬の使用禁止

ゴタバヤ・ラージャパクサ大統領は2021年、有機農業への前面移行を発表

化学肥料や農薬の使用を禁止しました。

スリランカの農業を100%無農薬にすると言うのは、一見聞こえは良いのですが…

準備期間もなく導入されてしまい、スリランカの農業は大混乱!

作物の生産高が急減してしまい、食料価格が高騰する羽目になりました。

つまり、世界中に輸出されている紅茶も収穫量が減ってしまい、外貨を稼ぐことが難しくなってしまいました

「無農薬の方が環境に良い!」と思ったら、すぐに実行してしまうんですね、、、。

一族政治の皺寄せがきていますね。

思いつき政策❷大幅減税

農薬の使用禁止でスリランカ経済が大きなダメージを受けたことから、ラジャパクサ大統領は大幅な減税を行いました

慌てたラジャパクサ政権は、農家の収入保証をする一方で、減税にも踏み切ったため、財政は一段と悪化した。

引用:Yahoo!ニュース 2022年5月13日

国民は一時的に助かったかもしれませんが、結果的に国に税金が入ってこないため、財政赤字になってしまったのです。

一族政治でラジャパクサ大統領は絶対的権力を持っているため、周囲の政治家は何も助言することが出来なかったんでしょうか。

原因③中国への莫大な借金

スリランカはインフラの開発を進めるために、中国から多額の融資を受けています。

インフラとは?

日々の生活を支える基盤のこと。例えば、ガス、水道、電気、道路など。
それがないと生活が成り立たないもの。

その資金で、南部ハンバントタ港や同国最大の都市コロンボの港湾開発事業など、次々と発展プロジェクトを展開していき…

スリランカがインフラ投資の名目で中国から受けた融資は10年間で…なんと…

総額50億ドル (1ドル=135円換算で約6,750億万円

を上回るそうです。

インフラ整備は国民にとって必要な事なのですが…到底返せるとは思えない金額ですね。

原因④コロナ

スリランカの主要産業である観光業がコロナで大打撃を受けました。

2018年観光客数:約233万人
2019年観光客数:約191万人(18%減)
2020年観光客数:約51万人(78%減)

どこの国もコロナでは打撃を受けましたが、観光業を主力としている国はより一層経済的なダメージが大きいですね。

原因⑥ウクライナ問題

ウクライナ問題は全政界に影響を与えています。

その中でも、元々経済的に厳しい状況が続いていたスリランカにはさらに厳しい状況になりました。

ロシアからの原油の供給が途絶えた今、スリランカの原油価格高騰に追い討ちをかけています。

まとめ

今回はスリランカの破産について分かりやすく解説しました。

一族政治や最近のコロナ、ウクライナ問題が複雑に絡み合って、スリランカは経済破綻に陥ってしまいました。

何か解決の糸口が見つかると良いですね。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。